関税管理の全体サイクル
油圧機器のHSコード例
各工程の詳細
製品設計・BOM作成
油圧シリンダー、バルブ、ポンプなどの製品設計時に部品表(BOM)を作成
- • 製品仕様の確定
- • 部品・材料の選定(国内/海外調達)
- • BOM(部品表)の作成・管理
- • 調達先国の記録
部品の調達先が多国籍になると、原産地判定が複雑化
BOMと調達先情報を一元管理し、原産地判定に必要なデータを自動連携
HSコード分類
油圧機器の正確なHSコード(関税分類番号)を特定
- • 製品のHSコード特定(例:8412.21 油圧シリンダー)
- • 部品・材料のHSコード特定
- • 輸出先国のHSコード確認(国により異なる場合あり)
- • 事前教示制度の活用検討
油圧機器は複合製品が多く、分類判断が難しい。誤分類は追徴課税リスク
AI支援によるHSコード自動提案と、過去の分類履歴データベース
原産地規則の確認
輸出先との協定(FTA/EPA)に基づく原産地規則を確認
- • 適用可能な協定の特定(RCEP、TPP11、日EU・EPA等)
- • 品目別原産地規則(PSR)の確認
- • 判定基準の確認(CTC、RVC、SP等)
- • 複数協定がある場合の比較検討
協定ごとにルールが異なり、最適な協定選択が困難
協定データベースで品目別ルールを自動検索、税率比較シミュレーション
原産地判定
製品が原産地規則を満たすか判定
- • CTH/CTSH基準:材料と製品のHSコード変更を確認
- • RVC基準:付加価値率の計算(例:40%以上)
- • 累積規定の適用検討
- • デミニミス規定の確認
RVC計算は部品コスト、加工費、利益など多くのデータが必要
BOMデータから自動でRVC計算、複数基準での判定結果を比較表示
原産地証明書の取得・作成
特恵関税適用に必要な原産地証明書を準備
- • 証明方式の確認(第三者証明/自己証明)
- • 必要書類の準備(インボイス、BOM、製造工程図等)
- • 商工会議所への申請 or 自己証明書の作成
- • 原産品申告書の作成(自己証明の場合)
協定ごとに証明方式・様式が異なり、書類作成に時間がかかる
協定別テンプレート自動生成、必要書類チェックリスト機能
輸出・通関
製品の輸出手続きと通関
- • 輸出申告書の作成
- • 原産地証明書の添付
- • インボイス・パッキングリストの準備
- • 通関業者との連携
書類不備による通関遅延、特恵関税の適用漏れ
必要書類の自動チェック、通関業者への電子データ連携
記録保存・事後管理
原産地証明に関する記録の保存と事後確認への対応
- • 原産地証明関連書類の保存(5年間)
- • BOM、コスト計算書の保管
- • 事後確認(検認)への対応準備
- • 定期的な原産地判定の見直し
事後確認で証拠書類を求められた際の対応が困難
全ての判定根拠をシステムで一元管理、監査対応レポート自動生成
油圧機器メーカー特有の考慮点
シール材(ドイツ)、バルブ部品(中国)、シリンダーチューブ(国内)など、 部品調達が多国籍になりやすく、累積規定やデミニミスの活用が重要。
精密加工の付加価値が高いため、RVC基準をクリアしやすい一方、 正確なコスト配分計算が必要。加工費の適切な按分が課題。
中国・ASEAN向けはRCEP、北米向けは日米貿易協定、欧州向けは日EU・EPA。 輸出先によって最適な協定を選択する必要がある。
完成品メーカーから原産地証明の提出を求められるケースが増加。 サプライヤーとして原産性の証明体制構築が必要。